QLOOKアクセス解析

Review Top CDReview Top Home
Nine Inch Nails
Year Zero
Artist Nine Inch Nails
Release 2007/4/16
Year Zero (amazon)

私がもっとも敬愛するアーティストNIN=トレントレズナーの5th。
コンセプトアルバムです。

ポップだった前作の反動か、メロディは影を潜み、ロック色の薄いデジタルなアルバムになりました。ギターレスの曲も多い。
EBM風のビートにノイズの効いた電子音が乗っかるスタイル。今までのNINを期待すると落胆するかもしれないので要注意。
恐ろしいぐらいに機械的な冷たさをもったアルバムです。重いとか暗いじゃなくて冷たい。
淡々としているうえ、曲数も多いので集中して聴いてるとダレてきますが、なにかをしている時のBGMとして聴くとなかなか良い。

@インストトラック。今作で一番ロックしてる。ノイズが入ってきてからがかっこいい。
Aシンプルなリズムに比較的ポップなメロディが乗っかる曲。何度聴いてもイントロでジュディマリの「POWER OF LOVElが思い浮かぶ。似てるよね? Bハイハットが印象的。尻上がりのサビも癖になる。
IヒップホップなノリのAメロ/サビとも思わず体を揺すりたくなる良曲。サビに入る前の掛け声が新鮮で良い。
K地を這うようなベースに不安感を煽るマリンバが印象的。先の見えない穴に落ちていくような気分になる。
L他の曲と同じ路線かと思いきや、途中の美声を境にノイズまみれに。後半がかっこよすぎる。頭を振りたくなるノイズです。
O聖歌のような希望あふれるサビが良いラストトラック。穏やかと不安が入り混じったような締め方。
他にもノイズ具合が良い感じのDEGやマンソンっぽいファンキーなFなど。

曲単位で見たら悪くないです。DGIKLなんかはロック/メタルから抜け出た新生NINとしては大成功していると思う。
しかし、アルバム単位で見るとやっぱり物足りない。いまいちグッとくるものがないんだよなぁ。
キラーチューンが無いのも寂しい。そういうアルバムを作りたかったわけじゃないんだろうけど。
この路線は決して嫌いではありません。ただこれぐらいのレベルならわざわざNINがやらなくてもよかった気がする。
まぁ、この路線でも突き詰めたらすごいのを出してきそうな予感がするし、今後を楽しみにしますか。

少数派だろうけど、個人的には「Perfect Drug」路線の曲で詰まったアルバムが聴いてみたいんですよね。

Review Top CDReview Top Home