月姫読本に収録されていた短編小説「Notes.」のイメージアルバム。
ヴォール&語りは霜月はるかさん。
ちなみに今回もドラムンは無しですのでそっち方向は期待しないように。
「ARIA」同様に音楽CDとして聴かせる事より元ネタの「空気」を表現する事に力が注がれています。
3つほどのメインフレーズが用意されていて、いづれかのフレーズを料理する形で各曲が成り立っています。それにより統一感ある世界観が繰り広げられているわけですが、逆に同じフレーズばかりが何度も登場するので音楽的にはダレてくる点も。
Morriganさんにしては珍しくギターがフル活用。夕焼けの空が思い浮かぶアコースティックな感触。
アクセントがわりにエレキが唸るロックナンバーも2曲収録されています。
細い音だけで構成されていた「ARIA」より、素朴だけど壮大だった「Caldes」の方が似てるかもしれない。
個々の曲が印象に残りにくいのも「Caldes」っぽい…。
ブックレットにあらすじが簡単に書かれているので、元ネタを読んでいない自分でも物語を想像する事ができました。
楽曲により物語を表現する業は相変わらずスゴイ。今回は簡単なSKITっぽいトラックもあるので、具体的にストーリーを思い浮かべやすかったです。
しかし前作と同様、私の苦手なゆったりとした曲調がほとんどなので音楽CDとしては微妙。
特に今回は同じフレーズが何度も出てくるうえ、そのフレーズ自体にあまり魅力を感じず、飽きが早かったです。
物語の導入が表現されたかと思うとフィナーレに向かう事や、ラスト4トラックは本編とは違った内容ということもありボリュームが少ないとも感じました。
ロックなAとCはカッコよかった。ベースリフが渋いです。力強いドラムもグッド。
それ以外の曲は悪くも無いけど特別気に入る事も無かったな。
元ネタへの愛が無いというのもあってか近頃は聴いてもイマイチに感じます。
しかし、初めて聴いた時は、物語を想像しながら楽しんで聴けた事も事実。
まぁ、今のWAVEさんの音楽的方向性が自分好みでは無いので不満を持ってしまうのも仕方が無いのかもしれません。狙いは好きなんですが…。
今までのWAVEの集大成のような所もあるので「ARIA」「Caldes」を心から楽しめた人にとっては素晴らしいCDになると思います。
う〜ん。いい加減にMorriganさん=ドラムンという考えはWAVEではあきらめた方が良いと分かっていながらもドラムンを期待してしまうなぁ。