CYTOKINEさんの東方アレンジ。「Third-Rater」は、ありがちな東方アレンジという印象で、わずか4行とウチの最短レビューになってしまいました。
しかし、今作は見違えるような快作！同人誌のついで感覚で買ったので完全に不意打ちを喰らいました。
ここまでツボにきた東方アレンジは久しぶりです。むしろ過去最高の東方アレンジかも。

何曲かを混ぜ合わせて一つの曲にするというスタイル。「shifting horizon」の東方版といったところでしょうか。全曲が8分越えと大作ばかり。
プログレ・メタル系の音で静と動のコントラストが絶品。静パートでは優雅にメロディを奏で、動パートでは東方らしいスピード感を披露します。
一曲の間に次々と顔を変えていく様は圧巻。
各パートが良い仕事をしており、手数の多いドラムと速弾きソロを連発してくるキーボは特に素晴らしい。
メロディは、元を残しながらもちょこちょこ弄ってある私好みのアレンジ具合。
次々と新しいメロディが出てくるので飽きにくく、東方のキャッチーなメロディを最大限に生かしてると言えるでしょう。東方メロディの「繰り返し聴いてるとぬっぺりして聴こえる」のが無い。
そしてなにより曲から放たれるパワーがすごい。複雑に展開しながら、一気に聴かせる勢いは快感の一言です。

�@2:48などに出てくる重いリフがカッコよすぎる！5:40の「U.N.〜」のオルガンもプログレらしくてたまらない、ラストにまた重いリフで締める展開が最高。
�A疾走→スピードダウン→疾走。暴れまわっているピアノが良い。テンポチェンジの瞬間も気持ち良いです。
�B中盤からの疾走感が半端無い。この曲の聴き所はドラム。前半のトリッキーなスネアワークが好き。疾走しはじめてからの打ち込みだからこそできるスネアとハイハットの組み合わせもノれます。
�C静と動の移り変わりが激しい曲。3:53からの静けさにグッとくる。5:43からの2stepっぽい展開もなかなか。
�Dこの曲もスネアが良い味だしてる。中盤の疾走パートにヤラれます。
�E終盤の名メロディオンパレードが泣ける。ラストのキーボードソロが熱い！ 飽きさせない展開、美しいメロディ、圧倒的な疾走感の揃った傑作です。
東方自体は嫌いじゃないけど東方アレンジCDが苦手という人でもハマると思います。特にプログレ・メタル好きは要チェック。
オススメ！