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EASTERN FAIRY TALE
サークル BITPLANE
元ネタ 東方

BMS「チョウの標本」や 「無垢について」で有名な愛新覚羅溥儀(Process 2.3.1.)さんの初ソロアルバム。
独特の雰囲気に包まれた東方アレンジCDです。他の東方アルバムとは明らかに違う空気を醸し出しています。

曲調はトラッド・ジプシー系の民族音楽風。
シルク・ドゥ・ソレイユにかなり影響を受けているようです。自分はシルク・ドゥ・ソレイユというとロックオペラなイメージがあるんで、どっちかというとリバーダンスを思い出した。
同人音楽で流行りの民族系はアイルランドあたりの人が日常的に歌っている感じだけど、これはサーカスなどのショーの民族音楽のイメージ。
何を言っているか分からない人はBITPLANEさんのHPにシルク・ドゥ・ソレイユの動画があるんで、ご参考に。

気軽に聴かせるより、頭の中でイメージを描きながら聴くように作られてます。真っ暗な部屋で集中して聴くと良い感じ。自分はエニグマの「Beyond the Invisible」のような映像が浮びました(これもHPに動画あり)
すこし聴くだけで、他の東方アレンジCDとは違うと思える個性は好き。聴いていると不思議の森に迷い込んだかのような気分になれます。
流すように聴くより、じっくりと集中して映像を創造しながら聴いて良さが際立ってくる。(流して聴いても悪くはない)おかげで最後まで聴くと疲れます。
シュールなジャケットデザインもナイス。HPにあるイメージイラストがCDの雰囲気にぴったり合っています。

しかし、深い世界観への誘いというこのCDで狙いに東方のメロディが合っていないような気がします。アレンジによる雰囲気づくりはすごくうまいのに、原曲のメロディがポップすぎて深みが足りない。そのせいで世界観に入りきれませんでした。メロディをあまり崩さずに入れてるからなぁ。ポップと深さの合間でさまよっている感じで、中途半端に感じる。
メロを奏でる楽器がひとつ(ソロ)な事が多いというのもあるかも。後ろは大勢で重厚な演奏をしているのに、メインが一人で目立ちすぎていると感じました。
高・中音メインなんで、低音好きの自分にはちょっと物足りない所も。

何かが足りず、大満足とまでいかない。まだ練りきれていない気がしました。
といっても普通に考えれば素晴らしい出来。やろうとしている事がすごく好きなんで、狙い通りに出来上がって欲しいという期待から評価がきびしめになっています。
次作ぐらいはすごい事になってるんじゃないだろうか。
一筋縄じゃいかない曲を聴きたい人にオススメできるCDです。東方嫌いでもいけるはず。

アルバム全体の流れを楽しむ(悪く言えば単曲に印象が薄い)CDですが、あえて好きな曲を挙げるとすれば中盤の打楽器だけになるパートがカッコイイJ。次に低速のDとIが好き。

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