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サークル The Spring Beach Works.
元ネタ オリジナル
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異色ユニットThe Spring Beach Worksの2ndフルアルバム。

今作は異種ジャンルの混同といった奇抜すぎる楽曲は(※この人達にしては)少ない代わりに、一つの曲で一つのジャンルに焦点を当てて、CD全体で雑多に手を出しています。その多様さは:歌謡、テクノポップ、フォーク、ジャズ、ボッサ、ロックと本当に雑多。
それでいて全ての楽曲に確かな「春濱色」が存在するのは確立した個性のなせる業。
各曲の完成度はかなり高いレベルにまで達している。「たまてばこ」にあった不安定さは完全に無くなっています。
その一番の要因はボーカル関係。
メロディの質がかなり良い。ACEIなどの一発でトリコになるキャッチーなメロディが出てきた。コレは嬉しい。
さらにはそれを歌うNina Branchさんの歌唱力も大幅に向上している。Aのイントロは特にそれが顕著。「声」が強烈な武器になっています。スキャットやハミングといった歌い手のセンスが大きく左右するところでも素晴らしい歌声を聴かせてくれます。
歌詞における至高の言葉選びも健在。「歌」という点でかなり高いレベルまで達しています。
弱点と言えば、ボリュームが多すぎて地味な曲も存在していることか。まー、そこまで気になるほどではありませんが。

@歌謡曲。むしろ演歌?一発目に持ってくるにはあまりに変化球すぎる。そこがらしい。
A開始のNina Branchさんの声で持っていかれる。微エスノなアレンジがされていて神秘を感じる。サビのメロディが素晴らしい。「待ーーーつ♪」が好き。
B妖しいインスト。自然に溶け込みすぎて気付きにくいけどアラビアとチャントがミックスされてるヘンテコな曲。
C春濱流テクノポップ。言葉選びの面白いサビが癖になる。大人になっていくつまらなさを歌った歌詞がグッとくる。
Dまったりソング。さながら子守唄……のわりには『永久にサヨウナラ』とか歌ってますが。
Eお洒落な下町ポップス。いままでにないキャッチーなメロにドキッとする。今作のキラートラックでしょう。純粋に良い曲です。ラストのスキャットがたまらん。
Fアンビエントのような浸り系楽曲。Ninaさんの歌の存在感がすごい。
Gまったりソング2。乙女チックなミュージカル風ソング。『側に居てください 生きていてください』なんて歌詞をよく思いつくな。最後の力強い歌声が胸に響く。
H半インストでボッサ/ハワイアン風味……なのに和を感じるのは何故だろう。これもメロ(ハミング)が良いなぁ。
Iしっとりとしたフォーク。サビのメロディが本当に素晴らしい。聴いてるだけで泣きそうになる良旋律。今作で一番好きな曲です。
Jロック。対外的に攻撃的になるのでなく、内で燻ぶる炎を感じる内向的なロックです。ギターの音が渋い。
Kマイナー進行の悲壮感溢れるバラード。すげー曲で終わるな。

個性派ユニットによるヴァリアブル・ポップスアルバム。
聴きやすい曲、少しマニアックな曲など色々あれど全てが高レベル。普遍的なポップスを目指したのではないかと推測しますが、癖のカタマリのような人たちなんで個性が滲みでている。そこが面白い。
変わったポップスが聴きたい人にオススメ!好き嫌いはありそうですが、ハマると抜け出せません。
ちなみにジャケや曲名は「和」ですが、和風曲ばかりでは無いです。でもむっちゃ「日本」。

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