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去人たち
サークル K2C
元ネタ 自ゲームサントラ

現在フリーで公開されているノベルゲーム「去人たち」のサウンドトラック+没曲+イメージ曲+アレンジ。WAV形式でデータとして収録。全79曲!
ちなみに曲コメントはゲーム本編のサウンドモードにあります。

ゲーム本編はダークでシリアスなムードの作品。音楽もそれに合わせて渋く・熱く・ハードボイルド。
いわゆるオルタナ系のサウンドが多いです。歪んだギターと鋭く乾いたギターが絡み合う。自分はDinosaur Jr.を思い浮かべました。
他にもポップス、テクノ、エレクトロニカ、オケ、ピアノ曲、ノイズな曲調もあり。
全体的に言えるのはシリアスで愁いのある曲が多いこと。一般的なノベルゲームBGMのようなほんわか雰囲気の曲はほとんど無い。廃頽的、切ない、サイコ、超世界、哲学的……そんなキーワードが思いつくダウナーな世界観。
自己主張の強いキャッチーなメロなどは控えめで、基本的にしっかりバックグラウンド・ミュージックしている。しかし、様々なジャンルを確かな完成度で作り上げているので音楽CDとして効いてもまったくダレない面白さがあります。
グランジ、オルタナ系のヲタ界隈ではあまり聴かないギターにハマった!ノイズ系も雰囲気出てて好き。

アレンジ&イメージサイドは、サントラの曲を基準に曲サイズを標準の音楽サイズにして「曲単体」としての完成度を磨き上げた形になっています。
アレンジだったり、フレーズを拝借したりとサントラサイドと同じ空気を持っている。ロックとテクノ方面への踏み込みがより本格的なものとなっておりむちゃくちゃカッコイイ!
音楽CDとして効くならやはりアレンジ&イメージサイドの方が面白いです。
原作ファンはもちろん、未プレイの人でも十分楽しめるアルバムだと思います。


サントラ

@タイトル画面曲。ピアノ/エレピループにバイオリンが絡む。物語の前の静けさ。ループフレーズを聴くと「あぁ、去人たちだ」と思います。そんぐらい印象に残る。
C高音のシンセが鳴るダークアンビエント調のホラー曲。緊迫感MAX。こういったサイレントヒルな曲も良いのが揃ってる。
G探偵モノには欠かせないハードボイルド・トラック。ベタベタです。太っといベースがカッコイイ。
H探偵モノその2。王道です。
I心臓音のようなバスドラに不穏な音色。恐怖の環境音楽。雰囲気出てます。
Jドタバタしたコメディ調のロック。しかし、掻きならされるギターはなかなかカッコイイ。ロックしてます。
Mグワングワンしたベースにチリチリとノイズが被さる。非音楽とも言えるダークアンビエント。浸れる。好き。
P一定のベースと淡々としたハイハットが神経を擦り減らすような感覚を与える。「悩め!捜査員」の曲名をよく表した曲です。
R喫茶店にでも流れてそうな大人っぽいロック。シンプルだけど耳に残るギター。良い感じにアンニュイ。
(22)アコギ主体のまったりソング。ムーディな南国の島のBGMってところ。こういった大人向けの曲が入ってるのがゲームサントラとしては珍しくて面白い。
(25)讃美歌風の女性コーラスを使ったサイケデリックな曲。急にコーラスが入ってくるイントロがすごくインパクトある。伸びるエレクトロ風シンセも良い感じ。トリップしそうになります。
(27)ここから3曲繋がっている。まずは「そして…」。穏やかな低音のシンセストリングスが鳴っているだけの序曲。音色が心地よい。
(28)「それから…」。前曲にピアノを重ねる。ピアノは基本三つの音を繰り返しているだけなのに泣ける。この時点で完全に虜。
(29)「それでも…」。ピアノが発展して音数が増える。このピアノには涙腺崩壊です。希望も見えるが同時にどうしようもない悲しさも感じとれる。良いフレーズだ。
(35)作中のここぞという時に流れる最強感動曲。ピアノオンリーの典型的な泣きBGMなんだけど、とにかくメロディが良い!強弱の付いた旋律が胸を締め付ける。0:21からのフレーズで涙腺が刺激されて0:51からのフレーズ完全で崩壊。このCDで一番好きな曲です。本当に名曲。
(37)ノイジーなエレクトロシンセがループする楽曲。電子的だけど精神世界を垣間見るような神秘性もある。サイケデリック。
(38)緊迫感のあるへヴィなグランジサウンド。前曲からの繋がりで焦ります。
(39)異形の呻き声のようなSEがメインのダークアンビエント。前曲からの繋がりで世界が真っ黒に汚染されたように錯覚する。
(42)表題曲「去人たち」。物悲しいオルタナ系ギターが鳴くロックインスト。リフがすごく印象的。エッジの効いた物悲しい曲調はまさに作品の空気をそのまま音にしている。良曲。
(45)暗い曲が続く中に突如飛び出す爽やかなギターとシャッフルビート。しかしギターとストリングスが紡ぐメロディは哀愁が漂っている。これも良いメロディです。
(50)VOCALOID使用の熱いロック。ミクが登場するずっと前に作られた曲なのに曲コメントにVOCALOIDとあって驚いた。K.JUNOさんもびっくりの超高音。もはやストリングスみたいになってるw ちなみにこのサントラの作曲者は現在ニコ動で活躍してるみたいです(マイゴッドPという名前らしい) (51)憂いのあるストリングスがメロディを奏でる切ないロック。BGMに徹している今作にしては歌モノになりそうなメロディがある。このメロディが素晴らしいです。ラストのギターソロも渋い・熱い。
(59)Sonic youthか!ってなギターノイズでサントラ方面は終了。良いセンスしてる。


アレンジ&イメージ

@タイトル画面曲をバージョンアップ。ミニマルな要素が減り、美しいクラシック風味へと変わっている。展開に抑揚がついたことでドラマチックに。0:55からのバイオリンフレーズが幕開けを感じさせてくれて好き。ラストのテンポアップも良い感じです。
B電子ノイズのイントロから歪んだギターが入ってきて重厚なオルタナロックへ。渋いフレーズを紡ぐギターに酔いしれる。サウンドがへヴィで脳にグッときます。
C哀愁を浴びたグランジリフに泣きのストリングスが絡むオルタナ曲。リフがむちゃくちゃカッコよくて濡れる!シンプルだけど気だるげロック魂を揺さぶる名リフ。メロディも素晴らしいです。ラストには「今、笑うとき」のメロディまで顔を出すニクい演出。今作で一番好きな曲です。
E作中の台詞をサンプリングしながら荒いギターを掻きならす渋いブルース・ロック。壊れた世界、草木が一切存在しない荒野を思わせる。慟哭ギターもさることながら1:35からのベースラインが大好き。
Fピアノをメインにミドルテンポで進むロック。ノイジーな轟音ギターはシューゲイザー/ポストロックを思わせるところも。弾きまくりピアノが良い。
G同じくギター+ピアノでちょいポストロック。ただこちらは完全に静の楽曲。穏やかだけと喪失感もある。そんな曲調。
Hインダストリアルっぽい不穏な曲。異常なモノが行進をしているかのような一定のリズム、乱雑なようでリズミカルなSEノイズ。泥沼なグルーヴ。
I同路線。不気味なコーラス(鳴き声?)に微トライバルなパーカッションが重なる。そして喋っているようなノイズ。怖い。
Jアグレッシブなデジロック。スネアの音が気持ちいい。0:35からのグニョグニョしたシンセにテンションがあがる。
K神聖な音使いのブレイクビーツ。乾いた音のリズムが心地よいです。中盤に入ってくるサイケデリックなシンセがイカす。
Nエレクトロ要素とエスニック要素が合体した曲。宗教的なイントロから電子音が入ってくる瞬間にグッとくる。展開のあるドラマチックな曲です。中盤には「去人たち」のフレーズも登場。この曲がひとまずのクライマックスにあたります。
O真面目な曲ばかり続いたところにいぶし銀なロックンロールが鳴り響く。タイトルは「次長転生」。色々ぶち壊しです。しかし曲はカッコイイ。渋い・熱い・ハードボイルド。
P明るいピアノと激しいブレイクビーツのアンバランスさが面白い可愛らしい曲。IIDXならフレンチポップに分類されそうな曲調です。シリアスな曲ばかりだったんで良い感じに力が抜けてて印象に残る。騒がしいリズムはかなりカッコイイです。
Qダンサブルなリズムをバックに良メロが聴けるテクノ。ノリとメロディアスな部分が上手く同居してる。
R名曲「今、笑うとき」をオーケストラアレンジ。力強いストリングスや暖かいフルートで奏でられる泣きのメロディは感動の一言。元ver.のピアノ一本の儚さも良かったけどコレはコレでたまらない!どっちが良いじゃなくて各々違う良さがあります。ホント名曲だな。

シックなオルタナサウンドが原作の雰囲気にぴったりと合っているサントラ。去人たちファンにはたまりません。
荒い音が原作のカオス/不安定な部分を助長しているようでまた良い。
サントラ単体としてはグランジ系のロックが好きな人にオススメ。ダウナーな尖った曲調の中に垣間見る切ないメロディが最高です。
サントラということで他の同人音楽CDとはまた違った感触がある。オススメ!

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