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リゾルヴ
サークル 麹町養蚕館
元ネタ オリジナル
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paraokaさんとharu*nyaさんのユニット・麹町養蚕館による5曲入りオリジナル3rdミニアルバム。

テクノポップ + ロック + αなミクスチャーサウンドは健在。ただし過去作に比べると楽曲の変態度は抑えてある。歌重視のストレートなポップスに視点を合わせた内容になっています。
一度聴いたらゾッコンになるような強烈なメロディは少なめ、曲構成もわりかし普通、後半になるにつれ勢いが落ちる……と過去作に比べると地味な印象の一枚。しかし、普遍的なポップス性によりジワジワとお気に入り度が上がってきました。気付いたら繰り返し聴いてしまう中毒性は失われていない。
大人しくなったというより落ち着いたのかもしれない。完全アコースティックな曲も出てきたりと今後が楽しみになる要素もあります。
haru*nyaさんのボーカルは相変わらず上手い!やっぱりこの人の声は麹町養蚕館で歌った時が一番映えるな。

そして、一番注目したいのは今作がコンセプトアルバムであること。プログレの人であるparaokaさんがついにコンセプトアルバムを表立って出してきた意味は大きい。
一聴すると「未来のミニ世界紀行」ってなストーリーが紡がれてる。
しかし、私は「創作家paraoka」のパーソナルな一面を表現したCDでは無いかと思っている。
「イク調教日記」でゲテモノ実力者として注目を集めた氏が「奇抜なだけじゃなくてもっと純粋に曲として魅了してやんよ」と言っている気がします。
『もっと常識の範疇で 愉快な未来もあるのに』『もう「世の中」はほっといて エゴに走るのもいいかもね』といった歌詞はリスナーを挑発しているようでもあるし、『不意の天気雨に 気づけばセルバの上』『アンドゥまたアンドゥリトライも 何かが違う』は創作の苦悩を表しているようにも聴こえる。
今作はparaokaさんなりの「resolve(決心/解決する/不屈/帰着)」ではないだろうか……ってのは考えすぎですかね?

@明るいテクノポップ。麹町養蚕館なりの直球ポップスです。言葉選びが上手いサビが好き。気持ちの良い出だし。
A元気の良いハイテンポトラック。プログレなキーボが(あくまでもポップに)騒ぎまくる。サビ終わりの歌メロが変態。色んな地名を早口でまくしたてるパートがピーク。ラストのカウベルもたまらん。綺麗にフィニッシュを決めて次曲へとつなげる素晴らしい曲です。今作で一番好き。
Bミドルテンポ楽曲で古代の文明の面影が残る海の中へとダイブ。1stの「アクアリウム」といい海関連の曲を作らせたら麹町養蚕館の横に出るものは無いな。
CRPGで流れそう=プログレ色強し。でもポップ。トリッキーなAメロから開放的なサビへの移り変わりが気持ち良い。
Dラストはアコギと歌のみ。いままでに無い曲調です。そして初の全編英語歌詞。さすがのharu*nyaさん、英語でも違和感無く歌ってる。眠るようにプツっと終わるのがリピート欲を誘います。

考えさせられるコンセプトアルバムであると同時に最高のポップス集。
キャッチーな歌メロ、確かなアレンジ能力。歌モノ好きもコアな音楽好きも納得させるクオリティです。
万人にオススメできる。ただ入門としては過去2作のほうがインパクトあるかも。

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