コア&ダークなコンポーザーの面々が集まった『serial experiments lain』イメージアルバム。
ダークステップ、IDM、インダストリアル、暗い歌モノにエレクトロニカ、とダークサイドなサウンドが揃っております。
淡々としたビート、オドロオドロしいウワモノの曲があれば、強烈なブレイクビーツの曲もあり、悲しいピアノが奏でられる曲もある。 『SUBVERSIVE』のような衝撃や『SUBLIMINAL』ほどの圧倒的な闇成分は無いものの、トータルなバランスが非常に良い一枚で末永く聴いていけそうです。 ---- @Disorder Circulationのgrayさんによるのっそりとしたダブ/エレクトロニカ。階段を登ってるのか、フワフワと浮いてるのかわからなくなる不安定なトリップ感。ジワジワと音を重ねる。ビートをカットするタイミングや随所に挟み込まれるSEが良い味だしてます。
Aくっつり会さんによるダークなアブストラクト・ヒップホップ。HARD GU-C.Iさんのラップとナコさんの歌付き。サビはOPのメロディを借用。 B3×6さんお得意のダークステップ。ビープ音とブレイクビーツの応酬。文句無しのエグさです。約4分半の間ひたすら繰り返されるリズムが4:50で崩される瞬間が最高にエクスタシー。 Cインダストリアル meets インテリジェンス・テクノ。工業的な機械音と淡々としたキックが絡みあう。引きこまれます。 Dsquarepusher的なIDM。変態なベース。癖にあるリズム。声ネタが廻り次第に混沌としてくる。とてもlainらしい一曲。 E3×6さんのもう一つの顔・clichexxxによる歌モノのインダストリアル/ニューウェイブ。荒いギターが”らしい”。サビのメロが好き。 Fbinariaのyoshihisa nagaoさんによる音数を絞ったストイックなミニマル。リズムが生み出すリラックス感とトリップ感は、日常の音がいつしか反復音楽に聴こえてきたってな感覚へとつながっていきます。ある意味今作で一番のドラッグミュージック。 Gginreiさんによるムーディーな一曲。オリエンタルなフレーズを聴くと「ここにきて初めて一般受けしそうな曲がでてきた〜」と安心します。でもCDの雰囲気からはまったく外れてないバランスの良さ。 Hダブステップ/インダストリアル。作中のセリフをサンプリングしたダークなトラック。メタルパーカッションがむちゃくちゃ気持ちいい!イントロでゆら〜りと体を揺らしてたら、激しくなるリズムに合わせていつのまにか狂ったように頭を振ってしまいます。今作で一番のお気に入りかも。 I深水チエさんをフューチャーした歌モノ・ダークポップス。物悲しい旋律がCDの曲順にうまくハマってます。中盤のドラムンパートがカッコイイ。 JKPDrecordsのkanabunさんによるIDM。リズムが完全にぐちゃぐちゃになるのは意外とこの曲だけかも。 K3×6さんによるダークステップ寄りのダブ。地の底から聴こえるような暗黒ベースがたまらない。音のクオリティがたけぇ! Lダーク・アンビエント→オペラティックなボーカルを乗せたアンビエントへ。アルバムの最後に持ってくるにはちょっとダレがちかなぁ〜というのところもあります。 Mボートラは原作のようにオーガニックに。 ----
洗練されたインダストリアル/IDMが作り出すlainの世界。 音楽的にはIDM・インダストリアル・ダークアンビエント、世界観的にはサイバーパンクなジャパニメーションに惹かれる人なら楽しめるであろう一枚です。オススメ! |