「
あやかしよりまし」の続編。ケータイ用アプリ「あやかしよりまし祓」との関連もあるので、出来ればそっちもプレイしておきたいところ。
プレイ時間は7〜8時間ほど。
座敷わらし・紅葉の一件から数週間後、修一郎は自分の過去を鮮明になぞらえた夢を見るようになった。
夢の中で少年・修一郎は天狗とチャンバラをする日々の中でイサミという友人を得た。
しかし、現実でイサミがどうなったのかは知らない。
普段は短い話が中心の葉来さんが力を注いで作り上げた長編。気合が入ってます。
前作のような妖とのワイワイした雰囲気は薄れて、シリアスでドロドロとした話が展開されます。ここら辺の変化の受け取り方は人それぞれだと思う。
明るさは退いてもキャラの魅力は薄れていないのでキャラ間のやり取りは面白いまま。軽快なトークで楽しませてくれます。やっぱ楓姉が良いキャラしてる。
悪キャラ(?)はなかなか嫌らしい性格&言動です。まぁ、木葉は嫌味ったらしくてどの登場人物より嫌いなタイプだ。
序盤はキャラ間のワイワイしたトーク中心で、後半から物語がどんどん真相へと向かっていく。伏線をどんどん回収していく中盤あたりから先が気になりはじめてくる。
終盤は色々と詰め込みすぎた気もするけど、エンディングを迎えたあとはなんともいえない開放感がありました。
アメリカ文化に毒されたからなのか、どちらかといえば勧善懲悪が好きな人間なんで「誰も悪くない」を意識しすぎてるかなぁと思わなくも無い。
まー、その方があやかしよりましっぽい気もするし、終わり(後読感)良ければ全て良しっ!
システム的には気になった点が結構あって、
- クライマックスに入っていく前あたりに無音のシーンが長かった。個人的に、演出でもBGMゼロは短時間じゃないと違和感を感じる。
- バトルシーンは演出効果がテンポを悪くしていた気もする。それなりに読んだと思ったのにバックログを見てみる(=文字として見る)とちょっとしか読み進めてなかったり。
- ボリュームが多くて小刻みに再開しながら進めていったので、ロードが章の始めからなのはちょい不便。かならず見ないといけないOPも。
今まで暖めてきたモノをより掘り下げたことで、「あやかしよりまし」というひとつの「世界」が確かなものとして存在している。彼らが仲間のために頑張るのを見守ってると胸が熱くなってくる。
全体的なストーリーとしては楽しさ有り、苦しみ有り、どんでん返し有り、感動有りと満足な出来。
前述の画面演出によりバトルシーンがイマイチ盛り上がらなかったのが残念なところではありますが、良いモノをプレイさせていただきましたと素直に言える作品です。
前作が好きな人はもちろん、そうでない人もシリーズまとめてプレイして損無し。
・今作一番の驚き:
まさかのボクっ娘