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ゲシュタルト崩壊
制作 Lu/LaLaLa/Lu
ジャンル 掌編サウンドノベル

活動休止した同人サークル「サークル五目御飯」に在籍していた二人が別に立ち上げたサークル「Lu/LaLaLa/Lu」の処女作フリーゲーム。
一見ホラーモノですが、ホラーの一言では片付けられない作品です。
プレイ時間は1時間ほど。

各章が終わるごとにひぐらしのTIPSのような本編の補足になるミニ情報「メモ」があります。プレイ環境で特に気になる点はありませんでした。
キャラは全部シルエット。追ってくる女のポーズが恐くない……どころか面白い。プレイ最初につまづくとしたらそこだと思う。
BGMは恐怖感を煽るホラーゲームのBGMとして上質な曲ばかり。雰囲気作りに大いに貢献してます。ED曲も素晴らしい。

ストーリーは:狂ったように笑いながら追いかけてくる女から、わけもわからないままひたすら逃げる話。しかしこの話の本当の意味とは…。
初プレイ時は、とにかくパニックに陥りながら逃げ続ける脈略のないストーリー展開に置いてけぼり状態。
読んでて「何をそんなに恐がってるのか?」「何故民家に逃げ込まない?」といった疑問がよぎり、B級ホラーみたいだなぁと冷めてプレイしてました。文体も特徴があって好みがわかれそう。
恐い以前にわけが分からないという印象が強いのでホラーゲームとしては微妙かな。
唯一、学校内のシーンは背景の写真が雰囲気を出していて緊迫感があった。

クライマックスになってもハマれず、イマイチかと思っていたらラストに追加されたメモでガラリとゲームの評価が変わりました。
このメモでいままでの話がただの逃走劇以外の意味があることが暗示されます。
しかし、物語には多くの謎が残っているのでプレーヤーは本編とメモを照らし合わせて物語の本当の意味を自力で見つけ出すことになります。謎を解こうと話を振り返ってみると、いままで意味の分からなかったストーリーは実はあらゆるところに意味があるように思えてくる。
この真相を推理する過程が歯ごたえがあって面白い。
最初にプレイ時間は1時間と書きましたが、それはあくまでも最後まで物語を終わらすまでの時間であって、実際にこのゲームに関わってた時間は5〜6時間ぐらいじゃないだろうか。 製作者いわく、本編の奇妙な言動の数々にもちゃんと意味があるとのこと。そして解釈はあくまでもプレーヤーにまかせるとのことで公式の掲示板でほぼ一年前からゲーム内容についての議論が行なわれているのにいまだ明確な答えは出ていません。
もちろん自分も解けてません。ここまでわからないと本当に全てのシーンに意味があるのかと勘繰ってしまうなぁ。
話の全貌が明かされないゲームデザインを良しとするかは人によって分かれそう。
自分は楽しめました。内容を確認するために何週もしたゲームはひさしぶりです。
癖が強いので万人向けではないけど、話の結末を自分で予想するのが好きな人にはオススメ。

しかし、この作品をレビューしてるいくつかのサイトを見てみると、多くの人が話の内容を理解しているような書き方をしています。やっぱり自分の読解力が無いだけなのだろうか?ひぐらしっぽいという感想もあったけど自分は未だに鬼隠しで止まってるからなぁ。
もう少しこのゲームが世間に広まってひぐらしばりに議論が活発になれば嬉しいんだけど。(さすがに無理か

もし話の全貌が分かっている人がいたら、こっそりとでもいいので教えてくださいな。
未プレイの人はプレイして自分の代わりに答えを見つけてくださいな。(ぉ



===

↓自分なりの推理(ネタバレ)
















私は本編はライターの精神世界じゃないかと思ってます。

まずライターは少年時代に恋人がいたが亡くなったのではないだろうか?そしてあまりのショックのために恋人を失った記憶を無くしたうえ、精神を病んでしまった。
(↑校長との話の「女子高生が血まみれ」から推測) ■アキコの発言に何度かでてきた『勘違い』は「恋人が死んだのを忘れていること」。だから『メモ4』の「誰も教えてくれない」や『夕暮れ』のラストで「忘れていたほうがよかったのに」も意味がでてくる。

■で、ライターは精神のカウンセリングに通っている。
そこではゲシュタルト心理療法が行なわれているのではないだろうか?その治療状態の精神世界を現わしたのが本編でないかと。
HPのBBSの[117]でゲームの作者さんが提示したURLはゲシュタルト療法について書かれています。そこにはゲシュタルト療法とは「依存から抜け出し自立すること」だの「役を演じること」などと書かれています。
選択肢で他人を頼るとゲームオーバーになることは前者と繋がる?

■精神世界の登場人物が何を意味するかは:
・BBSの[117]でハイテンションな女性の意味深なセリフの元ネタが精神医学者の言葉であるとされていることから、あの女性はライターのカウンセラーかな?最初の手助けしてくれる部分はカウンセラーっぽい。
しかし、主人公が治療を拒否(恐がる)からカウンセラーは恐い存在として狂った女性として表現されているのでは?

・マンションの女の子=学校のアキコは、死んだ彼女。『夕暮れ』で私服なのは死んだ時の服装?
マンションでの「■しい人」は「愛しい人」。彼女がおかしくなる前、彼女の顔が霞んだのは死んでる(のを思い出した)から。思い出したから精神が壊れて全員に追われる狂気の世界(=精神)に変わったのでは。
じゃあ『メモ4』の女の子は誰なのかという話になるわけですが、妹とか実は死んでなかったとか適当に理由付けてます(ぉ

・子供=ライターの別人格のようなモノ。追ってくる女=精神崩壊の象徴みたいなモノと考えてます。

■あとメモ画面の背景にあるパソコンが、物語が進むごとに変化してるのは意味があるはず。本編中はずっと画面が点いていたのに、最後には「女」の顔が出てから消えるようになります。つまり「女」はパソコンの中の存在と考えるのが妥当かと。
コレに対する考え2パターン思いついて:
@ライターはパソコンを通じてカウンセリングを受けていた。
Aネット上のとあるサイトが精神崩壊を引き起こす力をもっている。
Aだと、そこでライターとリョウがなんらかの接点を持ったことで、本編で主人公がリョウと名乗ること何らかの原因になったと考えることも。(無理矢理)
「女」はサイトに潜む精神破壊者(という概念)か?

■つまり
この物語は「恋人を亡くしたショックで精神カウンセリングを受けているライターが、彼女の死を受け止めれず、結局精神崩壊=ゲシュタルト崩壊してしまった話」で本編は「ライターの精神を表現している」
という話なんじゃないだろうか?

他にも色々と考えているのですが、めんどくさくなった自分の文章力じゃとてもまとめれそうにないのでここらで止めようと思います。その前に上の文章の時点でまとめるのに諦めて雑な書き方になっているわけですが。書いてる最中に予測が成り立たない要素がどんどん見つかるし……。
突っ込み所満載の解釈ですが、強引に当てはめていけば、(自分の中では)だいたいのセリフは説明できる。

疲れた〜。こりゃあ、説明するの難しいわ。
掲示板の人達が小難しい書き方になってる理由が分かった気がする。

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