クトゥルフ神話を題材にしたホラー・ノベルゲーム。プレイ時間は2時間半ほど。
【あらすじ】
探偵事務所を営む主人公の元に送られてきた一枚のフロッピーディスク。
中には9つのテキストファイルが保存されているのみ。怪物に精神を乗っ取られたサラリーマン。 南極の闇に飲みこまれた観測員。 奇妙な昆虫と出会い記憶喪失で発見された男。どれもが現実味のない奇妙な話。
差出人不明の郵便物には「このメモを書いた人物を探してほしい」と書かれた便箋といたずらとは思えない手付け金が添えられていた。
自分はクトゥルフ神話はそんなに詳しくないですが、とりあえず「ヤバイものと遭遇 → 発狂」が王道の流れって認識はあり。本作もその展開をなぞっています。
メモの出元を調査する過程はなかなか怖い。トイレに行くのが嫌になるくらいには怖かったです。
その恐怖を促しているのがゲームそのものの丁寧な作りこみ。
フォントを微調整したりグラフィックを使って様々な見せ方をしたりで恐怖を煽り、かつどんどん先に進めたくなる快適さ、テンポの良さを生み出しています。
オリジナルの邪神の絵、チュンソフト愛に溢れる人物シルエット((ここは前作に「街」の完成度の高いオマージュ作品を作っています))も視覚的にわかりやすくてグッド!
各メモにまつわる話はオムニバスのようで繋がっている不思議な感覚。そして次第に混沌は周り巡ることで増幅していき……。
クトゥルフらしい展開なのだと思います
色つき文字をクリックすると注釈が出るTIPS昨日は書いてる内容に実用性が無くて積極的に読もうとは思わなかったかも?
でも大きいのはTIPSなどノベルゲームの標準以外の機能があっても快適に動いているところ。ここまでスムーズに動くフリゲはなかなか無いです。
どちらかというとクトゥルフ神話をがっつり知ってる人の方が楽しめるのかな?システム同様、分かる人にはわかるネタが大量に丁寧に散りばめられてるのだと思います。
最後の驚きの崩壊→誕生のネタは言葉の意味をググって上手く出来てるなぁ、と感心しました。
現在アニメ放映中のニャル子さんでクトゥルフ神話に最近興味を持った方も「クトゥルフってこんな雰囲気なのか」とわかると思います。簡単な邪神の解説メモもあり。
そろそろ季節は初夏。ちょぴっと肝を冷やしたい方にオススメです。