QLOOKアクセス解析

Review Top フリゲReview Top Home
ななつのユメをみる
制作 みつやしき
ジャンル ノベル ※18以上推薦

長編ノベルゲーム。直接のエロシーンは無いけど、対象年齢18歳以上推奨とのこと。
7話+最終話で総プレイ時間は10〜13時間ほど。
久しぶりに涙が頬を伝った作品です。プレイ後は震えが止まらなかった。

プレイ環境は少々難あり。
「… … 〜」と文字が段階で表示されるのでペースが崩される。ノーウェイトで読みにくいのは珍しい。他の吉里吉里製ゲームと比べるとかなりプレイしづらかった。あと未読はスキップ効かず。
選択肢もややこしいのが多かった。章の最初の方の選択肢でのちのバッドエンドが確定するのは嫌らしい。
暗号解読などは凝ってて面白いと思うけど、全体的には選択肢が話に没頭するのを邪魔していた気がする。

大石智也は7年前の震災を期に一度離れた町、垣根花市に戻ってきた。
そこは超能力者<サイ>が集まる場所へと変貌を遂げていた。
街を訪れてすぐに児童施設が開催する運動会の二人三脚に強引に参加させられる。
競技のパートナーとなった少女・こよりは「乱暴されて、ころされるみたい」と自分の未来を予知した。

超能力者・サイが集まる町が舞台ですが超能力はあまり前に出てこない。
能力バトルがメインではなく、智也とこよりの信頼、絆、成長を中心としたドラマです。
前半はそれほどハマらなかったんですが、4話あたりからどんどん面白くなって、残りは一気に読み終えることができました。
最後は予想を遥かに越える大きな話へと展開したのに驚いた。ここまで心に残る作品になるとはプレイ開始時は夢にも思いませんでした。
色々なことがあやふやなまま終わったり、各キャラの行動意図に疑問を持ったりと荒は目立ちますが、それより最後にあんなのを見せられたら全部吹っ飛ぶ。プレイして良かったと本気で思わせてくれました。

このゲームを絶賛したくなる最大の要因がヒロインのこよりです。
口数の少ない幼女キャラ。こういったキャラは歳のわりには全てお見通しみたいな設定が多いけど、こよりは本当に歳相応の女の子。
新しいモノに興味を持ち、そこから学んで、子供なりに頑張って、耐えて、時にはワガママも言う。
そして、本当に健気な子です。サバイバル中や戦闘での頑張りには胸が熱くなる。
最終章の成長にはもう号泣です。
あ、ヤバ。思い出したらまた涙が……。
イラストも素晴らしい。こより立ち絵の絶妙な表情に何度感情を揺さぶられたことか。

嫌なキャラはdydyさんのノベルゲームばりに徹底して最悪な言動をする。念冶、園長、施設のガキどもには本気で腸が煮えくりかえりました。

以下各話について

■1話〜3話

この段階では、光るモノはあるものの、文字表示でプレイしにくい思いのほうが強くかった。プレイを断念しようかとも思いました。
こよりもまだキャラが確立してなかったし、主人公を含むほとんどのキャラの言動にイラついてたというのもある。
好きになれるキャラがこよりと浅葱先輩しかいねー。

■4話

ここから一気に面白さ加速。
能力者設定がありながらやることがホームレスとはっ!?
わけもわからず野宿させられるこより。かわいそうだがそこがいい(ぉ
頭の中には「これで成長するのか?」「智也後先考えなさすぎだろ」といったツッコミもありましたが、2人のぎこちないサバイバル生活を眺めているのがしだいに楽しくなってきた。こよりが健気だ・゚・(ノД`)・゚・

■5〜6話

見所は戦闘シーン。熱い!
こより頑張れこより。
次の7話は読むのが苦しくなってくるぐらいツラい内容だから鬱展開が苦手な人はここでストップしたほうがいいかも。一応ストーリーもひと段落してるし。

■7話

もう止めてくれと叫びたくなるキツイ展開の連続。まさに渡る世間は鬼ばかり。
希望も何もあったもんじゃありません。

■最終話

アレだけの鬱展開をここまで立て直したのはアッパレ。こよりの頑張りと成長に泣いた。比喩でなく本当に泣いた。
プレイヤーの想像に任せた賛否両論な終わり方だとは思いますが、私はポジティブな終わり方だったと思いたい。

前半でやめなくて良かった。
ラストは鬱展開の連続で「暗いまま終わったどうしよう」と思いましたが、最後の最後で物語が一つに繋がった時はガッツーンと脳を揺さぶられた。最終話は本気で泣いた。
驚きの展開は無いけど、バトルあり、涙あり、成長ありの名作!
人を選ぶ結末だとは思いますが、個人的には超オススメ!!

あんましこの言い回しは好きじゃないけどあえて言おう。

このゲームはもっと評価されても良い。

Review Top フリゲReview Top Home