ここのところボカロメインで活動してたS.C.Xさんから久々の生歌ボーカルアルバム。
ポップスを基準にデジロック、エレクトロ、ハウスあたりのデジタルサウンド。加えてレゲェ、ラテン、AOR、R&Bといったアナログなサウンドも入っています。
特筆すべきはすんなり耳に入ってくるメロディ。アルバムの端から端まで極上メロディで溢れかえっており、グッドメロディの宝庫なアルバムになっています。 今作はパッと聴くと同人音楽というより一般のJ-POPみたいに聴こえる所もあるんですが、よく聴くと全然そんなことないんですよね。様々なギミックが用意されてて「あー、同人音楽っぽいな」って曲調/展開も多い。
J-POP的に感じさせるのは楽曲の安定感もあるだろうけど、一番の理由は写真が前面に押し出されてるCDジャケだと思います。 ---- Aロッキンなギターが耳に残るデジロック。リズムはヒップホップ。ラップも飛び出してのクールなトラックです。「Fuck me / I've」 meets ヒップホップみたいな? B走るドラムが気持ちいいハイテンポ・ポップス。リズムの刻み方はドラムンっぽい。ハウス/AORなストリングス&ピアノも心地良い。そしてAメロからサビまでグッドメロディに溢れてます。良曲。 C過去作「Selfish Color」の曲のレゲェ・セルフカバー。まったりした中に切なさがあってむちゃくちゃ好きな曲です。メロディがぐっさりと胸に潜り込んでくる。原曲の時はこんな良いメロだとは気づきませんでしたが……素晴らしいアレンジだ!丹下桜の心の名曲「Thinking of You」のspur mixに似てるのも好きな点だったり。今作で一番のお気に入り! Dラテンハウスナンバー。クールな熱さ。ブラスとパーカスが熱気を持たせ、クールな歌メロはカッコよく決める。3:14からのノリが好き。元ボカロ曲ですがこっちのほうが好み! Eジャンル名を付けるならフィルター2stepポップス。跳ねたリズムに極上メロでたまらない。オートチューンを薄くかけたサビが素晴らしいです。 GR&Bな空気もあるアーバンなダンス・ポップ。大人な魅力。 Hスローテンポのバラードポップ。透きとおったきれいな歌声が胸に響きます。しっかり刻むハイハットが心地良い。これもCと同じく丹下桜の「true love spur mix」を思い出したり。 Iスピード感のあるデジタルポップ。ブレイクビーツが効いてて、中盤では低音の効いたドラムンパートもあり。ちなみに今作のイントロはこの曲のサビのフレーズを使っており、10曲目にして最初のフレーズが現れるのがカッコイイ。良いメロです。 JはAのリミックス。エレクトロ/デジタル色を強くしてパワフルな四つ打ちダンスチューンになってる。迫力のある音使いでビッグビートっぽくもある? KはHのリミックス。流行りのエレクトロ寄りテクノポップ。これはこれでまた。メロディがいいのでどんなアレンジでも映えそうです。 ---- 色々なジャンルの音がポップ&キャッチーな方向へと収束した良質ポップス・アルバム。
普遍的なポップスとしては、このレベルを超えれるCDはなかなか無いのではないでしょうか。
BGM代わりに流し聴きも良し、集中して聴くも良しな良作。 |