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TPM-STRUCTURES
サークル indolences
元ネタ TYPE-MOON
indolence.jpg(2486 byte)

TYPE-MOON作品のアレンジCD。

KEYアレンジの「Fabricated Memories」と同系統になるノイズ・アンビエント系CD。
音と空間を楽しむドープなアンビエントサウンドではありますが、絶妙なポップ感が生きているのがすごい。コアな内容なのにまったく聴き苦しくありません。

ハウスやチップチューン風の曲があった前回より、更に「静」のアンビエント・ノイズに焦点を当てた内容になっているので作品に統一感があり、またひとつ垢抜けた印象です。
逆に完全なノイズ系の曲は無くなってる。すべての曲に穏やかな旋律があり、僅かながらのリズムがある。静の方向に向かいながらサウンド構成はポップになってます。ここらへんが聴きやすい要因の一つかも。

小慣れた感じがして前回ほどのインパクトはありませんでしたが、この手のサウンドが好きな人にとっちゃ文句無く楽しめる良作。


@「エミヤ」。控えめのブレイクビーツにフワフワしたウワモノのエレクトロニカ。モノ悲しいメロディと、微々たる盛り上がりのバランスが良い。

A「求め合う心」。まったりしたウワモノに更にまったりしたビートのエレクトロニカ。虫の鳴き声SEが良い感じです。浸れる。

B「月下」アレンジ。壊れそうなオルゴールを連想させる旋律に合わせてノイズとエフェクトの効いたSEのようなビートのIDMっぽい曲。少しづつ音を重ねてトリップさせるのがうまい。決してうるさくならないのに音が耳の周りを飛び交うのが快感です。後半マジヤバイ。

C「追憶の彼方」の低速四つ打ちアレンジ。良くも悪くも眠くなる曲です。

D「Stranger」。ややトリッキーな反復フレーズが印象的な音響系サウンド。音の作り方/ぼやかせ方が絶妙。色の付いた水がしずくになってポタポタと落ちるイメージ。遠くの方から音がやってくるような中盤が好きです。大人しい曲なのにヒップホップ風のグルーヴを感じるのも面白い。

E「新たな夜明け」。アンビエントなシンセで透き通った音空間を構築しています。澄んでて微ポジティブなシンセがツボ。聴いてて本当に気持ちいい。イーノ系と言えそうなアンビエントは意外にもこれ一曲。今作で一番好きな曲です。

Fこの先二曲は合作。まずは「Last piece」。今作にしてはリズムが効いている曲で、CDの良いフックになってます。絶妙なタイミングで挿入されるギターに悶える。リズムパターンを元にギターが味付けした曲です。

G「消えない思い」。こちらは前曲と逆にギターにエフェクトを掛けてまったりしたサウンドを構築。これも音空間の作り方が上手い。


ガチな音響系の原曲破壊アレンジCD。
コレ!という強烈な曲はないけど全体の雰囲気が非常に良い一枚。澄んだ空気がとても気持ちいいです。

アンビエント、エレクロニカ、音響系が好きな人ならまず楽しめると思います。
逆にその手のサウンドに免疫が無いとTYPE-MOONファンでもキツいかも。

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